「期間工になりたいけど長いあいだニートだったから勤まるか不安で迷ってる」って人はけっこういるんじゃないですかね。
この記事ではぼくが19歳から約3年間のニート生活をしていた22歳のとき、トヨタの期間工になって1年間勤めて、無事に期間満了した時の話をしています。
これから期間工で働くか迷っている人にとってはけっこう参考になると思います。ちなみに他県から愛知県にきて、寮にはいってました。
さらにニートから期間工になった時に感じたメリットとデメリットを書いているのでニートから期間工になるか悩んでる人はぜひ読んでください。
もくじ
期間工でニート歴3年が働くまでの話
トヨタの期間工にニートを3年間した後になった経緯や志望動機
3年間ニートをした22歳のときにこのままじゃいけないということで、トヨタの期間工の面接にいくことになりました。
ちなみにトヨタの期間工に応募したキッカケはネットサーフィンしていた時にたまたま工場求人ナビ見て、思い切って親元を離れて寮で暮らして働いた方がニートを抜け出せると思ったから。
そして応募して面接にいったんですが、期間工の面接とはいえバイトも一切しないで3年間もニートをしていたので面接はかなり緊張しました笑
ぼくはこのときの面接は私服でいきましたが、最近は面接をうけるときはスーツのほうが無難みたいですよ。
面接は5~10分程度で終わりました。志望動機は「親元を離れて寮で暮らして働きたい」「大手の企業で働いてみたい」というようなことを伝えました。
他にはそんなに大したことは聞かれず、おもに体力に自信はあるかとか借金の有無について聞かれました。
2週間後くらいに面接に受かったと通知がきて愛知に行くことに。たしか2~3週間後くらいの指定された日に愛知に赴任してくださいとのことだった。
教育・健康診断
そして愛知に行く日。日曜日の13時~15時くらいにトヨタの本社工場の近くの土橋駅に行かなければいけなかった。
土橋駅にトヨタのバスが迎えにきてくれて、そのバスにのり本社工場の近くの寮にいきました。この寮で3~4日間を過ごすことになります。
次の日(月曜日)から健康診断や教育が始まります。
大まかにいうとこんな感じ。健康診断にひっかかると落とされ帰らされます。あと書類や印鑑は忘れるとけっこう面倒なことになるので注意。
この本社での教育の時はけっこう楽しくていろんな人と話して仲良くなった人もいた。結構ぼくと同じ工場求人ナビを見て応募してきた人が多くて話がはずんだりした。
けど配属される工場が違うと寮も違うところになり、ここで仲良くなった人たちとは以降は会うことがなかった。
ここではニートで人見知りの人でも気軽にしゃべることができると思う。もししゃべりたくないなら1人ぼっちでも浮くことはない。
ちなみに9割くらいの人は愛知以外の他県から出てきてる人だった。
そして田原工場の配属者は水曜日に移動し、それ以外の工場の配属者は木曜日の午前中に移動して午後から配属先の工場に移動しての教育になる。
この移動のときに寮も配属先の工場の近くに移動になるので荷物も持っていくことになる。ぼくは豊田市内の高岡工場に配属になった。
職場配属・入寮
ここでの流れはこんな感じ。
工場で受け入れのための教育をしてその日(木曜日)のうちに配属先の職場を言いわたされる。ちなみにぼくはこの工場での受け入れの教育期間中に仲良くなった人たちとは満了まで仲が良かった。
同期ということもあってみょうな仲間意識があったようにおもう。
貯金したい人はヘタに人と仲良くすると遊んでしまいおもったように貯金できないことになるかもしれないので注意。ここでもしゃべらなかったからといってべつに浮くことはない。
そして教育が終わり配属先を言いわたされる。ぼくは組立のトリムという職場に配属決定。
その日の受け入れ教育が終わったあと工場の近くの寮にバスでいき、入寮するための手続きという流れになる。手続きが終わると部屋のカギをもらい無事に部屋に入りゆっくりできる。
ちなみに先に入寮しているとなりの部屋の人にいちいち挨拶にいく必要はない。バッタリ会ったときに頭を下げる程度で問題なし。
トヨタの期間工でニート歴3年が実際に働いた体験談
配属~2週間
そして課の教育を受けた後、配属先の職場へ。ぼくは組立のトリムという職場で2交代勤務。職場の人数は20人くらいで期間工はぼくを含めて5人くらいだった。
あとから聞いた話だと組立のトリムはトヨタの自動車工場の中でも1・2を争う体力勝負の仕事らしい。
そしてGL(職場の管理者)と少し話して必要な書類を書いたらすぐラインに案内されて自分が担当する工程へ。その工程を教えてくれる1つ上の社員とあいさつして午前中は見てるだけ。
ちなみに教育期間は2週間。それ以降は一人でやれるようになってくれとのこと。ぼくは初日の午後から1つずつ作業を教えてもらうことになった。1つ1つの作業はそんなに難しくはない。
けど車種が3つあり、車種が違うと微妙にやり方が違ってうまくいかない作業もある。そんな感じですべての作業を覚えること自体は一週間もかからなかった。
すべての作業を通してやるとラインのスピードに間に合わず、間に合わなかったボデー(工場で働いてる人は車のボディをこう呼ぶ)は教えてくれてる人に助けてもらってた。
ほとんどの作業を自分でするようになってからは体力の消耗がかなりひどく毎日かなり疲れていた。 このころは仕事が終わると寮の部屋に帰ったら風呂はいってすぐ寝る。そんで出勤ギリギリに起きるといった感じの生活だった。
こういう感じで作業の訓練を続けて配属されてから2週間後に独り立ちするのでした。ちなみに仕事教えてくれた社員の人はけっこう厳しかったけど嫌な人ではなかった。
2週間~2ヶ月まで
独り立ちしたけど、2週間の訓練だけじゃラインのスピードに完璧についていくことはできません(ほとんどの人はそうだと思う)
なので作業が遅れてラインを止めそうになったらリリーフ対応の人(工程に入っていないトラブルの対応をする人)を呼び出して作業を手伝ってもらうように言われていました。
独り立ちしてからはさらに体力の消耗が激しく疲れが溜まるので相変わらず仕事が終わって寮に帰ると風呂入ってすぐ寝るという生活をしていた。
いっしょに入った同期の人達もみんなそんな感じで、中には1ヶ月も続かずに辞めた人も何人かいた。ただ休みの日は同期たちとご飯いったり名古屋に遊びに行ったりして楽しく充実してた!
そんな平日と休日のギャップはあったけど仕事も1ヶ月が過ぎた辺りから少し余裕がでてきた。平日でもご飯いったり朝勤の仕事が終わった後は近くで遊んだりできる余裕もできてきた。
あとは2交代にはさいしょ戸惑う。やったことはない人は夜勤がツラそうに感じるかもしれないがぼくは朝勤がツラい。とにかく眠い。
6時半から始まるので5時くらいには起きて準備をしないといけない。こんなに朝早いとけっこうな眠気がきます。とくに朝勤の月曜日はツラいです。
仕事は2ヶ月たったころにはほとんど作業遅れをすることがなくなり職場の人達とも仲良くすることができていた。
職場の人間関係はクセのある人はいたけど、仕事中に接することはほとんどないから苦にはならなかった。
2ヶ月~6ヶ月
2ヶ月過ぎたころにはほとんどの人は仕事にも職場にも慣れてると思う。2ヶ月もたてば人のおおい職場だと、自分よりあとに入ってきた期間工もいるんじゃないかな。
2ヶ月たったあたりからは職場の異動・大きな生産の変動がない限りはそんなに変化はない。満了するまでに一回だけマイナーチェンジする車種があったけどそれ以外はけっこう平穏だった。
だだ人間関係はすこし変化がでてくる。いっしょに入った同期で初回の契約期間の3ヶ月を過ぎれば契約を更新せずに期間満了していなくなっていく人もチラホラと出てくる。
ちなみにぼくの1番仲良かった人は6ヶ月で期間満了していった。仲いい人が満了していくのはけっこう寂しいしツラい。
6ヶ月~1年
仕事は本当に平穏な日が続いていた。マイナーチェンジもあり一度おおきく工程が変化したが作業になれていればそんなに大したことではない。
ちなみに6ヶ月を過ぎたころに一度社員を希望するか聞かれた(ひょっとしたら職場に配属された最初にも一度聞かれるかも)ぼくは社員になる気はなかったので断りました。
正社員を希望するかはふつうに仕事をこなせれば誰でも聞かれるとおもう。ただ正社員に本気でなりたいならいいけど冷やかしならやめておいたほうがいい。
正社員になるのを希望すると複数の工程を覚えたりと仕事の面ですこし厳しくなったりする。あと社内行事に参加しないといけないとか。なのできちんと考えて返事しましょう。
そして人間関係は6ヶ月以降も同期や職場の期間工や社員なんかとも仲良くしててとくにトラブルはなかった。休日にフットサルやバスケットしたり飲みにいったりした。
そんな感じで楽しく過ごしてたらあっという間に1年がたってしまい、ぼくは1年で無事に期間満了した。
トヨタの期間工をニート歴3年が1年やってみた感想
ネットとか見てるとトヨタの期間工は人間関係や仕事がツラいといった書き込みをよく見る。けどこれはすこし大げさに書いてる気がする。
ただたしかに最初の1ヶ月は体力がけっこうツラい。けどそこまで大げさに感じるほどしんどくはない。肉体労働ならこんなもんじゃないって思いました。
仲良かった人の話だと「とび職」や「左官屋」のほうがよっぽど体力的にしんどかったっていってた。
あと人間関係もクセのある人(短気とか我が強い人)はいたけど仕事中は接することがないのでそんなに苦にならなかったんですよね。
ニートを3年もしていたことを言ってもとくにバカにされることもなかったです。
全体を通して思ったのは最初の2ヶ月くらいまでを乗り切ればあとはけっこう平穏だということです。
期間工にニートからなって感じたメリット
同じ境遇(元ニート)の人が結構いる
ニート歴が長いのを後ろめたく感じたりコンプレックスな人にはこれはメリットと言えると思います。過去に長い期間ニートをしたことがあるといった人がけっこういた。
中には5年以上ニートをした経験がある人もいました。とにかく期間工の人はいろんな経験をしている人がいて「3年ニートしてた」って言っても「フーン」って感じの反応ばっかりだった。
とにかく人が多いので長期間ニートしていたと言っても大して悪目立ちしないです。なので長期間のニートの人もぜんぜん苦にならないと思いますよ。
コミュニケーション能力がそこまで必要とされない
ニート期間中は家族とか友達といった元から知ってる人としかほとんど接する機会がない。なのでまったくの他人とのコミュニケーションをとるのは最初は戸惑います。
けど職場では人と接する時間がすくなく、最低限のコミュニケーション能力があればなんとかなります。
はじめの教育期間中もみんな書類の書きかたとか親切に教えてくれます。ほかの仕事にくらべて人と接する時間がすくないぶんそこまでコミュニケーション能力をひつようとされません。
ニートでも他の仕事に比べて面接に受かりやすい
さきほども言ったようにニートの人も多く、他の仕事にくらべてニートでも採用してもらいやすく感じました。あと面接時間が短くて内容も深くは聞いてこなくて楽。
聞かれたことに適切に答えられればよっぽど落とされることはないと思います。ちなみにぼくの場合は「ニート期間」のことに関してはストレートに突っ込まれることはなかったです。
うっすらとしか覚えてないけど「空白期間が長いですが体力は衰えてませんか?」みたいなことを聞かれました。
「ニート期間は何してましたか?」みたいな突っ込まれかたはしなかったです。もし聞かれたら「最初のほうはダラダラと過ごしてましたが最近は就職活動してます」って感じで答えればいいと思う。
そこまで深く突っ込まれる感じではなかったですよ。とにかく体力がひつようとされる仕事だから面接では体力にかんする質問をされるかと。
期間工の人から色んな仕事の話が聞ける
これから仕事を探したいニートの人にとってこれはメリットだと思います。期間工の人がおおく過去にいろんな仕事をしていた人がいます。
元自衛隊・元警察官のような公務員から元会社経営者や投資で生計をたてていた人もいました。なかにはかなり偏差値の高い有名大学を卒業してる人もいました。
とにかくいろんな仕事を経験している人から高学歴の人までいっぱいいました。
そういう仕事の話はこれから就職活動するのにすごい参考になると思います。
期間工にニートからなって感じたデメリット
最初の1~2ヶ月は体力がつらい
ニートからいきなり動きっぱなしの肉体労働になるので最初の1~2ヶ月は体力がつらいです。中には定時までにバテてしまう人もいました。
とくに体力をひつようとされる組立では最初の1~2ヶ月はツラいです。工程や職場によって体力の消耗度は違いますが、自動車工場の仕事はどこに配属されてもけっこう体力はひつようです。
なので最初の1~2ヶ月はツラいですがじょじょに体力がついてくるのでそれまで踏ん張りましょう。
いきなりのフルタイム労働
いきなりのフルタイムの労働はニートには長く感じてツラいです。トヨタは定時の労働時間が7時間30分くらい。なのでニート明けだとけっこう長く感じます。
社会復帰するならいずれフルタイムで働くことになるので社会復帰の訓練だとおもって乗り越えましょう。
2交代の生活リズムに戸惑う
これはニートに限ったことではないですが2交代の経験がない人は最初戸惑うとおもいます。
ただしこれもけっきょく慣れの部分が大きいので朝勤と夜勤の交代を何回か繰り返すと2交代のリズムに慣れてきます。
期間工にニートからなると社会復帰するきっかけになると思う話
ここまで書いてきたことからぼくはニートの人が社会復帰するきっかけとして期間工になるのはいいと思います。
ちなみにこの記事を読んでみて期間工という仕事が気になった人は下記の記事も読んでいただくと参考になるとおもいます。
ニートの人が期間工になるのをおすすめする理由は
こういったニートの人にとってのメリットがあるからです。逆にニートが期間工になるデメリットは体力面と久しぶりの労働への戸惑いくらいです。
これらのことを踏まえて考えると、ニートの人はとりあえず期間工をして働いた実績を作って、そこから就職活動して社会復帰すればいいんじゃないかなって思います。
期間工に応募するならこちらから応募すると楽ですし特別手当がついたりする期間もありますよ。ということで今回は以上です。