「期間工になりたいけど、長い間ニートだったから勤まるか不安で迷ってる」って人はけっこういるんじゃないですかね。
この記事では、ぼくが20歳から約3年ほどニートをした後、トヨタの期間工で1年間働いて、無事に期間満了した時の話を書いていきます。
これから期間工で働くか迷っている人にとってはけっこう参考になると思います。
さらに、ニートから期間工になった時に感想やメリットとデメリットを書きました。
今現在ニートから期間工に悩んでいる方は参考にしてください。
ニート歴3年の僕が期間工では働くことになった経緯
ニートだった僕がトヨタ期間工になった経緯
3年間ニートをした23歳の時、このままじゃいけないということで、トヨタの期間工の面接にいくことになりました。
その3年のあいだも、常に働かないといけない思っていたんですが、なかなか働く勇気が出ずに、3年間もニートをしてしまいました。
実は、この時は2回目の赴任でして、ぼくは19歳の時もトヨタの期間工をした経験がありました。
そしてトヨタ期間工に応募して面接に行ったんですが、期間工の面接とはいえ、かなり緊張しました。
というのも、ニートだった3年間でぼくが働いたのは、短期のバイトくらいだったので、まともに面接を受けたのが久しぶりだったからです。
ちなみに、ぼくはこの時の面接には私服でいきました。
ですが、最近の期間工の面接を受ける時は、スーツのほうが無難みたいですよ。
トヨタ期間工の面接で聞かれたこと
このトヨタ期間工の面接に行った時期が、10月の月末(4週目くらい)でした。
面接に持っていくものは、履歴書と筆記用具くらいです。面接の内容ですが、まず志望動機については
- 親元を離れて寮で暮らして働きたい
- 大手の企業で働いてみたい
というようなことを伝えました。志望動機は、そこまで重視していないようでした。
重視していたのは、おそらく以下の質問。
- 体力に自信はあるか
- 持病は持っていないか
- タトゥーは入っていないか
- 借金はないか
この質問に『借金がある』『体力に自信がない』と答えたり、糖尿などの持病があったり、タトゥーが入っている人は落とされる可能性が高いです。
面接自体は5~10分程度で終了。実際に面接会場にいたのは30分程度で、すぐに終わりました。
そして面接の1~2週間後くらいに、面接に合格したと郵送で書類が届きます。その書類が届いた2~3週間後に、いよいよ愛知に行くことに。
ちなみに面接に行ったのが10月の月末(4週目くらい)で、トヨタ期間工に赴任する日が11月の月末(4週目くらい)でした。
なので、面接から入社までは1ヶ月くらいと考えておけばよいです。
トヨタ期間工の赴任日から教育初日まで
そして愛知に行く日。日曜日の13時~15時くらいに愛知県豊田市の土橋駅に集合でした。
土橋駅からトヨタが用意したバスにのり、本社工場の近くにある寮にいきました。この寮では3~4日間を過ごすことになります。
次の日(月曜日)から、健康診断や教育が始まります。
- 月曜日:健康診断・書類記入提出
- 火曜日:健康診断合否・書類記入提出・教育・作業着のサイズ合わせなど
- 水曜日:教育・田原工場配属者を発表・田原工場配属者は田原に移動
- 木曜日:田原工場以外の配属者を発表・配属先の工場に移動して教育
大まかに言うとこんな感じ。健康診断にひっかかると落とされ帰らされます。
あと書類や印鑑は忘れると、けっこう面倒なことになるので注意。
この健康診断のある初日(月曜日)から給料が発生しています。
教育2~3日目:トヨタ期間工の教育から配属先の工場決定まで
この本社での教育は楽しくて、いろんな人と話して仲良くなった人もいた。
けど配属される工場が違うと、寮も違うところになり、ここで仲良くなった人たちとは、これ以降は会うことがなかった。
ここでは、ニートで人見知りの人でも気軽にしゃべることができると思う。もししゃべりたくないなら、1人ぼっちでも浮くことはない。
ちなみに9割くらいの人は、愛知以外の他県から出てきている人だった。
そして入社から3日目(水曜日)に、配属先の工場が言い渡されます。
田原工場の配属者は、そのまま水曜日のうちに、田原工場へと移動していきました。
それ以外の工場の配属者は、木曜日の午前中に移動して、午後から配属先の工場に移動しての教育になる。
この移動のときに、寮が配属先の工場の近くに移動になるので、荷物もすべて持っていきます。
ぼくは、豊田市内の工場に配属になった。
入社4日目:工場の教育から職場決定と入寮まで
木曜日の午後は、それぞれの配属先の工場で、受け入れ教育をします。
- 受け入れ教育
- 配属先の職場決定
- 寮に移動して入寮手続き
- 部屋のカギを渡される
入社4日目(木曜日)の流れは、こんな感じです。
ちなみに、ぼくはこの工場での受け入れの教育期間中に仲良くなった人たちとは、満了まで仲が良かった。
同期ということもあって、仲間意識がありましたね。
貯金したい人は、ヘタに他人と仲良くすると、遊んで散財してしまい、思ったように貯金できないことになるかもしれません。
お金を貯めたい人は、無理に誰かと仲良くする必要もないですよ。
そしてこの日(木曜日)の教育が終わるころに、配属先を言いわたされる。ぼくは組立のトリムという職場に配属決定。
その日の受け入れ教育が終わった後、工場の近くの寮にバスでいき、入寮するための手続きという流れになる。
手続きが終わると、部屋のカギをもらい、部屋に入りゆっくりできる。
ちなみに先に入寮しているとなりの部屋の人に、いちいち挨拶にいく必要はないですよ。
バッタリ会ったときに、頭を下げる程度で問題ありません。
入社5日目:課の教育を受けてから職場に配属へ
そして入社5日目(金曜日)は、午前中に課の教育を受けて、午後から職場へ配属されます。
ぼくが配属される職場は、組立のトリムというところで、ライン作業で2交代勤務。
後から聞いて知ったんですが、組立のトリムはトヨタの自動車工場の中でも1・2を争う体力勝負の仕事らしい…
GL(職場の管理者)が教育をしていたところまで迎えに来て、そのまま職場に案内されると、自分が担当する工程に案内されました。
工程に案内されて月曜日から僕に仕事を教えてくれる人に挨拶して、その後GLや他の職制(その職場のリーダーみたいな人)と話しながら必要な書類を書いて、その日は終わり。
職場は、みんなで20人くらいいて、期間工はぼくを含めて5人くらいいました。
ここまでが教育~職場への配属まででした。トヨタ期間工は、入社してから丸一週間は教育をします。
そして土日は休みで、翌週の月曜日から配属される職場で働きます。
ぼくは、職場で働く最初の月曜日から。いきなり夜勤でした。
期間工でニートが満了するまで働いた体験談
職場に配属されてから2週間目までの体験談
さっき言ったように僕は夜勤からでした。ちなみにトヨタの二交代の勤務時間は以下のとおり。
- 朝勤:6:30~15:10
- 夜勤:16:00~0:40
初日は、最初は見ているだけですが、昼食後から少しづつ作業を教えてもらっていました。
ちなみに教育期間は2週間。それ以降は一人でやれるようになってくれとのこと。
1つ1つの作業はそんなに難しくはない。けど車種が3つあり、車種が違うと微妙にやり方が違ってうまくいかない作業もある。
そんな感じですべての作業を覚えること自体は1週間もかからなかった。
すべての作業を自分ひとりで通してやると、ラインのスピードに間に合わず、間に合わなかったボデー(工場で働いてる人は車のボディをこう呼ぶ)は教えてくれてる人に助けてもらいながらやっていた。
そして、1週間ほどたったころ、ほとんどの作業を自分でするようになってからは、体力の消耗がかなりひどく毎日かなり疲れていた。
このころは仕事が終わると、寮の部屋に帰ったら風呂はいってすぐ寝る。そんで出勤ギリギリに起きるといった感じの生活だった。
こういう感じで、作業訓練を続けて配属されてから2週間後に独り立ちするのでした。
ちなみに仕事教えてくれた社員の人は、けっこう厳しかったけど嫌な人ではなかった。
職場に配属されてから2週間~2ヶ月まで
独り立ちしたけど、2週間の訓練だけじゃラインのスピードに完璧についていくことはできません
(ほとんどの人はそうだと思う)
なので作業が遅れてラインを止めそうになったら、リリーフ対応の人(工程に入っていないトラブルの対応をする人)を呼び出して、作業を手伝ってもらうように言われていました。
独り立ちしてからは、さらに体力の消耗が激しく疲れが溜まるので、相変わらず仕事が終わって寮に帰ると風呂入ってすぐ寝るという生活をしていた。
いっしょに入った同期の人達もみんなそんな感じで、中には1ヶ月も続かずに辞めた人も何人かいた。
ただ休みの日は、同期たちとご飯にいったり遊びに行ったりして、楽しく充実してた!
そんな平日と休日のギャップはあったけど、仕事も1ヶ月が過ぎた辺りから少し余裕がでてきた。
平日でも、ご飯いったり朝勤の仕事が終わった後は近くで遊んだりできる余裕もでてきましたね。
仕事は2ヶ月たったころには、ほとんど作業遅れをすることがなくなり、職場の人達とも仲良くすることができていた。
職場の人間関係はクセのある人はいたけど、仕事中に接することはほとんどないから苦にはならなかったですよ。
トヨタ期間工になって2ヶ月目から6ヶ月目まで
2ヶ月過ぎたころには、仕事にも職場にも慣れますね。
ぼくの場合は、毎日30分~1時間半くらい残業があったくらいで、職場の異動・大きな生産の変動がなかったので、満了まで仕事にそんなに大きな変化はありませんでした。
だだ、人間関係はすこし変化が出てくる。
いっしょに入った同期で、初回の契約期間の3ヶ月を過ぎれば、契約を更新せずに期間満了していなくなっていく人もチラホラと出てくる。
ちなみに、ぼくの1番仲良かった年下の子は、6ヶ月で期間満了していった。仲いい人が満了していくのはけっこう寂しいしツラい。
トヨタ期間工になってから6ヶ月目から1年間満了まで
仕事は本当に平穏な日が続いていた。
マイナーチェンジする車種があったので、一度大きく工程が変化したが、僕の工程はそこまでやることは変わらなかった。
ちなみに、6ヶ月を過ぎたころに社員を希望するか聞かれた(ひょっとしたら職場に配属された最初にも一度聞かれるかも)。ぼくは社員になる気はなかったので、断りました。
正社員を希望するかは、普通に仕事をこなせれば誰でも聞かれるとおもう。
そして人間関係は、6ヶ月以降も同期や職場の期間工や社員なんかとも仲良くして、とくにトラブルはなかった。
休日にフットサルやバスケットをしたり、ご飯や遊びにもいったりしましたね。
そんな感じで、楽しく過ごしてたらあっという間に1年がたち、無事に期間満了した。
ちなみに貯金は、満了金とあわしてですが、150万円ほどできました!
トヨタの工場の期間工をニートが1年だけやってみた感想
SNSや2chを見ていると、トヨタ期間工は仕事がツラいといった書き込みをよく見ます。
たしかに最初の1ヶ月は体力がけっこうツラい。けど「肉体労働ならこんなものでは?」って感じでした。
仲良かった人の話だと「とび職」や「左官屋」のほうが、よっぽど体力的にしんどかったって言ってましたしね。
人間関係は良かったですよ。ニートを3年もしていたことを話しても、バカにされることもなかったですしね。
全体を通して感じたのは、最初の2ヶ月を乗り切れば、あとはけっこう平穏だということです。
ニートにとって社会復帰のきっかけにするのは、アリだと思います。
期間工にニートからなって感じたメリット
同じ境遇(元ニート)の人が結構いる
ニート歴が長いのを、後ろめたく感じたりコンプレックスな人には、これはメリットと言えると思います。
過去に、長い期間ニートをしたことがあるといった人が、けっこういました。
中には5年以上ニートをした経験があるといった強者もいました笑
とにかく、期間工はいろんな経験をしている人がいて、3年ニートしてたって言っても「フーン」って感じの反応ばっかりでした。
人が多いので、長期間ニートしていたと言っても、大して悪目立ちしないです。
なので長期間のニートの人もぜんぜん苦にならないと思いますよ。
コミュニケーション能力がそこまで必要とされない
ニート期間中は、家族や友人のように、元から知ってる人としかほとんど接する機会がないですよね。
なので、他人とコミュニケーションをとるのが、最初は戸惑ったりします。
けど職場では人と接する時間が少なく、最低限のコミュニケーション能力があればなんとかなります。
初めの教育期間中も、みんな書類の書き方とか親切に教えてくれます。
他の仕事に比べると、人と接する時間が少ない分、そこまでコミュニケーション能力を必要としません。
ニートでも他の仕事に比べて面接に受かりやすい
さっき言ったように、ニートの人も多くいるので、他の仕事と比べると、ニートでも採用してもらいやすく感じました。
あと、面接時間が短くて、内容も深くは聞いてこなくて楽ですね。
聞かれたことに適切に答えられれば、よっぽど落とされることはないと思います。
ちなみに、ぼくの場合は「ニート期間」のことに関しては、ストレートに突っ込まれることはなかったです。
「ニート期間は何してましたか?」みたいな突っ込まれ方は、しなかったです。
もし聞かれても「最初のほうはダラダラと過ごしてましたが、最近は就職活動してます」って感じで答えればいいと思う。
ちなみに車の工場の期間工はいろんなメーカーがあって、完全個室の寮だったり愛知以外の地域にあるメーカーもあります。
下記の記事に書いたので、気になる方は参考にしてみてください。
≫元社員がおすすめする期間工ランキング【比較・2021年度版】
期間工の人から色んな仕事の話が聞ける
これから仕事を探したいニートの人にとって、これはメリットだと思います。
期間工には、いろんな仕事をしていた人が多くいます。
元自衛隊・元警察官のような公務員から、元会社経営者や投資で生計をたてていた人もいました。
そして。学歴でもかなり偏差値の高い有名大学を卒業してる人もいましたね。
仕事の話とか、これから就職活動するのに、すごい参考になりましたよ。
ニートから期間工になって感じたデメリット
最初の1~2ヶ月は体力がつらい
ニートからいきなり動きっぱなしの肉体労働になるので、最初の1~2ヶ月は体力がつらいです。
中には、定時まで体力がもたないで、バテてしまう人もいました。
とくに体力を必要とされる組立では、最初の1~2ヶ月はツラいです。
工程や職場によって体力の消耗度は違いますが、自動車工場の仕事はどこに配属されても、ある程度の体力は必要’です。
なので最初の1~2ヶ月はツラいですが、少しづつ体力がついてくるので、そこまで踏ん張れば楽になってきます。
いきなりのフルタイム労働
いきなりのフルタイムの労働はニートには長く感じてツラいです。
トヨタは定時の労働時間が7時間30分くらい。ニートをしていた人は、けっこう長く感じます。
社会復帰するなら、いずれフルタイムで働くことになるので、社会復帰の訓練だと思って頑張ってください。
2交代の生活リズムに戸惑う
これはニートに限ったことではないですが、2交代の経験がない人は最初戸惑うとおもいます。
ただこれもけっきょく慣れの部分が大きいので、朝勤と夜勤の交代を何回か繰り返すと、2交代のリズムに慣れてきます。
期間工にニートからなると社会復帰するきっかけになると思う話
ぼくは、ニートの人が社会復帰するきっかけとして、期間工になるのはいいと思っています。
ちなみにこの記事を読んでみて、期間工という仕事が気になった人は、下記の記事も読んでいただくと参考になるとおもいます。
≫きついと有名なトヨタ期間工に行く前に知らないとヤバい5つのこと
ニートの人が期間工になるのをおすすめする理由は
- 他の仕事より面接が受かりやすいし楽
- 他人とのコミュニーケーションが楽
- 元ニートでも悪目立ちしない
こういったニートの人にとってのメリットがあるからです。
逆にニートが期間工になるデメリットは、体力面と久しぶりの労働への戸惑いくらいです。
だからニートの人は、とりあえず期間工をして働いた実績を作って、そこから就職活動して社会復帰すればいいんじゃないかなって思います。
ということで今回は以上です。
トヨタ自動車
満了金が1番高く日給は昇給があり、長期から短期まで期間工で働きたいすべての人におすすめできるメーカー。
日産自動車・追浜工場
完全個室の寮に住めて、都心に近い環境なので、寮を重視したい人におすすめしたいメーカー。満了金も高い。
スバル
安定のスバル期間工。寮は個室で収入面もよく、デメリットのないメーカー。